宗久-南朝時代の歌人
-宗久の歌風と作品の特徴-
宗久の歌風は、彼の師匠である飛鳥井雅有の影響を強く受けています。「花袋詠草」には、宗久の歌謡で雅有の和歌の約半分が収められていることから、宗久はそのほどを受けていたことがうかがえます。
宗久の歌風は、雅有の歌風の特色である、優美で華麗な言葉遣いを特徴としています。また、宗久は雅有よりも感傷的な傾向が強く、彼の歌には、人生の無常や憂愁を詠んだものが多く見られます。
宗久の作品には、次のようなものがあります。
* -「花袋詠草」- 宗久が30歳の頃に詠んだ和歌を集めた歌集。宗久の歌風の特色である、優美で華麗な言葉遣いが特徴的な歌が収められています。
* -「宗久卿集」- 宗久が40歳の頃に詠んだ和歌を集めた歌集。宗久の感傷的な傾向が強く現れた歌が多く収められています。
* -「宗久卿百首」- 宗久が50歳の頃に詠んだ和歌100首を収めた歌集。宗久の歌風の集大成ともいえる歌集で、優美で華麗な言葉遣いと感傷的な傾向が強く現れています。
宗久の歌は、その優美で華麗な言葉遣いと感傷的な傾向が特徴的です。彼の歌は、雅有の歌風の特色を継承しつつ、宗久独自の感性で詠まれたものであり、南朝時代の和歌を代表する歌人の一人として高く評価されています。