江戸時代前期

-九鬼久隆とは- 九鬼久隆（くじき ひさたか、1557年（弘治元年） - 1600年9月15日（慶長5年8月1日））は、戦国時代から安土桃山時代の武将、大名。 豊臣政権で尾張・伊勢・近江・山城・河内の5カ国を領する大名となる。 本姓は藤原氏、家系は九鬼氏。 -生涯- 九鬼久隆は、1557年（弘治元年）、伊賀国名張郡（現在の三重県名張市）に、九鬼嘉隆の嫡男として生まれる。 父・嘉隆は、織田信長の家臣として活躍し、伊勢国の鳥羽城を領していた。 久隆も父と同様に、信長の家臣として仕え、1570年（元亀元年）の姉川の戦い、1575年（天正3年）の長篠の戦いなどに参加した。 1582年（天正10年）、信長が本能寺の変で横死すると、久隆は、織田信雄に従い、明智光秀と戦う。 賤ヶ嶽の戦いでは、信雄の軍勢を率いて、光秀の軍勢を破り、羽柴秀吉の勝利に貢献した。 秀吉の天下統一後は、岸和田城主として、豊臣政権の重臣として活躍した。 九鬼水軍を率いて、秀吉の朝鮮出兵にも参加し、蔚山城の戦いで、明・朝鮮連合軍を破った。 1600年（慶長5年）、関ヶ原の戦いでは、西軍に属して、徳川家康の軍勢と戦うが、敗北する。 戦後、久隆は、捕らえられ、京で斬首された。享年44。 辞世の句は「月雲に霞み込（こ）むる峰の端」。 -人物像- 九鬼久隆は、武勇に優れた武将として知られている。 豪勇で知られた九鬼嘉隆の息子として、幼い頃から武芸に励み、槍術や弓術に秀でた。 また、水軍の指揮にも長けており、九鬼水軍は、秀吉の朝鮮出兵でも活躍した。 久隆は、義理堅く、人情味のある人物でもあった。 主君・信長に忠義を尽くし、秀吉の天下統一にも貢献した。 また、部下や家臣を大切にし、慕われていたという。 -逸話- 九鬼久隆には、次のような逸話が残されている。 あるとき、久隆が、鷹狩りをしていたところ、一羽の鷹が、雉を捕らえて、久隆の目の前に落とした。 久隆は、鷹の勇猛さを称賛し、その鷹を捕らえて、大切に飼うことにした。 この鷹は、「久隆鷹」と呼ばれ、久隆の愛鷹として、各地の戦場にも連れて行かれたという。 また、あるとき、久隆が、家臣と酒宴を開いていたところ、一人の家臣が、酒に酔って、久隆に無礼な態度をとった。 久隆は、その家臣を叱責し、家臣は、久隆に謝罪した。 しかし、久隆は、その家臣を許さず、その場で斬り捨てたという。 この逸話は、久隆の厳格な性格と、家臣に対する厳しい規律を物語っている。